エンタメ | July 26, 2026

問題児コンカフェちぺてんとは何者?血液カクテル炎上事件の全真相

問題児コンカフェちぺてんとは何者?血液カクテル炎上事件の全真相

札幌すすきのコンセプトカフェのイメージ

2023年春、日本のSNSが一斉に震えた。北海道札幌市・すすきのに存在したコンセプトカフェが、ある一つの行為をきっかけに全国規模の炎上騒ぎへと発展したのだ。その中心にいたのが、「ちぺてん」という愛称で呼ばれた元店長の女性。彼女をめぐる話題は今なお検索数が高く、コンカフェ業界の闇を象徴する出来事として語り継がれている。

そもそも「問題児コンカフェだぁく♥またぁ」とはどんな店か

コンカフェとは「コンセプトカフェ」の略。独自の世界観に沿った衣装・内装・メニューで顧客を迎える業態で、メイドカフェもその一形態とされる。『問題児コンカフェだぁく🤍またぁ』は北海道札幌市のすすきのに位置するコンセプトカフェで、精神的に問題を抱えているコンカフェ嬢をスタッフとして採用していた。店名の「だぁく♥またぁ」は「ダークマター(暗黒物質)」を指し、ネーミングからすでにただならぬ雰囲気を放っていた。

店のコンセプトは「健常者不可」。一般的な職場では働きづらい女の子に賃金を渡し、生活を安定させることで精神的な安定も目指す、というのがオーナーの掲げた理念だった。言葉にするとまるで社会的意義を感じさせるが、実態はまったく別の次元で動いていた。

実際のところ、似非メンヘラではなくガチで精神疾患を患っているキャストが集まっていた。全員が当日欠勤して店が営業できない日もあれば、1時間遅れで開店したり、店内でキャストが倒れていたりと、まさに混乱の連続だった。それでも、こういった「混沌ぶり」がSNS上ではある種の話題性を生み出し、一定のフォロワーを集めていた。

「ちぺてん」とは誰か――店の発案者にして問題の震源地

「ちぺてん」という呼び名は、本名が「血反吐てゃん」(ちへどてゃん)で、愛称が「ちぺたん」、さらに店長(てん)を合わせて「ちぺてん」と略されたことに由来する。今回の炎上が起きた『問題児コンカフェだぁく🤍またぁ』は、もともと血反吐てゃん(ちぺてん)が発案者だった。つまり店の生みの親そのものであり、コンセプトの中心人物でもあった。

彼女の出身は北海道とされており、SNS上のやり取りから22歳より年上と見られ、地下アイドルを志望していたことも明かしており、当時25〜26歳ほどと推測する声もあった。家庭環境は複雑で、精神的な課題を抱えていたことは本人も公言していた。

オーナーはちぺてんについて、SNSでの発言や投稿写真について再三指導を行い、病気であることも理解した上で粘り強く対応してきたと説明している。しかし何度指摘しても同じことを繰り返し、自店・他店のスタッフへの攻撃的な言動が続いたという。フォロワー数が増えるたびに承認欲求が高まり、制御が難しくなっていったとも述べられた。

SNS炎上とコンカフェのイメージ

炎上の核心――血液カクテル事件の詳細

2023年4月2日。店のオープンからわずか18日目に、衝撃的な告知がSNSに投稿された。炎上の発端となったのは、店長だった血反吐てゃん(ちぺてん)が客からの依頼を受けて実際にリストカットをし、その血液をカクテルに混入して提供したというものだった。ネット上ではこのドリンクを「リスカクテル」「血液カクテル」と呼ぶ声が相次いだ。

この行為は女性店長自らの腕をリストカットし、その血液をグラスに注いでカクテルを作る写真をSNSに投稿したことで発覚。すぐに「バイトテロ」として非難が殺到し、全グラスの交換のために営業を停止する事態に陥った。衛生上の問題はもちろん、感染症リスクを指摘する声も相次ぎ、保健所案件だと騒ぐ人も少なくなかった。

当のちぺてんはSNSで「これが悪いことだとは知らなかった」と弁明。「頼まれたからやっただけ」「売上のためならと思った」という趣旨の発言も残されており、社会規範に対する認識の薄さが改めて問題視された。その後、人気配信者・コレコレ氏のライブ配信に電話出演し、「お客は嬉しそうに飲んでいた」と語ったことも大きな波紋を呼んだ。

店側は「このような行為はバイトテロと変わりなく、断じて許される行為ではない」と声明を出し、オープンから18日目にして店長の解雇を公式発表した。コンセプト上「問題児」を集めた店が、まさに看板に偽りなしの形で終焉を迎えようとしていた。

暴露系インフルエンサーが拡散、一気に全国区へ

暴露系インフルエンサーの滝沢ガレソ氏によって今回の件が広く拡散されたことで、問題児コンカフェちぺてんをめぐる炎上はさらに大きな規模へと広がった。ガレソ氏の投稿力はもともと強く、取り上げられた瞬間にトレンドへ浮上する構図は今やSNS炎上の定番パターンとなっている。

この拡散によって、店そのものへの関心だけでなく、ちぺてん個人への調査も加速した。出身地、年齢、家族構成、過去のSNS発言に至るまで、ネット上で徹底的に掘り起こされていった。解雇後、ちぺてんのTwitterアカウントは4月7日に削除されており、オーナーから「消さなければ訴える」と告げられたことが背景にあったとも伝えられた。

店舗はどうなったか――その後の「めんたるしすたぁず」へ

ちぺてんが去った後も、店は即座に閉店したわけではなかった。炎上騒ぎを経て『問題児コンカフェだぁく♥またぁ』は移転・リニューアルオープンし、「懺悔コンカフェ闇堕ち♡めんたるしすたぁず」という名称で再スタートを切ることになった。キャストはほぼ入れ替わったとされるが、コンセプト自体は引き継がれた。

オーナーは一般的な職種で働けない問題を抱えた女性をキャストとして選ぶ方針を変えず、再出発後もそのスタンスを維持し続けた。ただし、再オープン初日にもキャストが揃わず休業するなど、「通常運転の混乱」はさほど変わっていなかったという。

飲み放題は1時間2,500円からとリーズナブルな価格設定で、チェキも楽しめる内容となっており、もともとの問題児カフェが好きだったファンにも一定の支持を集めた。

この事件が突きつけた問題――コンカフェ業界の構造的リスク

問題児コンカフェちぺてんの炎上は、単なる「やばい店員のやらかし」では片付けられない。いくつかの深刻な問題が浮かび上がる。

まず、精神疾患を抱えた人をあえてコンテンツとして「見せ物」にする構造への批判だ。世間からは「ただ見せ物にしているだけ」という批判的な声が上がっていた。オーナーの言う「働く場の提供」が本当に当事者の利益になっているのか、倫理的な観点から問われる部分は大きい。

次に、衛生・法律面の問題。飲食店で体液を混入させたドリンクを提供することは、食品衛生法上明らかに許容されない行為であり、「バイトテロではなくもはや傷害罪だ」「解雇しただけで責任を果たしたとでも思っているのか」という声も上がった。店側の事後対応の甘さも問題視された。

そしてSNSと炎上の関係性。ちぺてん自身が自らの過激な行動をSNSに投稿し、それが拡散のトリガーになった。SNS上での大炎上は今なお記憶に残る衝撃の事件として語り継がれており、ネット上での影響力が現実の店舗運営や個人の人生にどれほど深く関与するかを示すケーススタディとなっている。

コンカフェ業界と衛生リスクのイメージ

コンカフェ業界全体が抱える課題との接点

コンカフェ自体は全国各地に急増しており、すすきのだけを見ても花魁コンセプト・アニメコスプレ系・執事喫茶など多彩な業態が並ぶ。問題は、コンセプトが過激になればなるほど、出演者と客の双方に対するリスクが高まることだ。

コンカフェ業界では風営法違反による摘発、未成年者の雇用問題、違法な接待営業など、さまざまな法的リスクが現実の問題となっている。問題児コンカフェのケースは、こうした業界全体の構造的な脆弱性を可視化した出来事でもある。

「メンヘラ」「地雷系」「病み系」といったサブカルチャーが若者文化に根付く中、それを商業的に利用することへの倫理的境界線はどこにあるのか。問題児コンカフェちぺてんの炎上はそこに一石を投じた。SNSで面白がられる一方で、当事者が精神的に極めて脆弱な状態にあることを忘れてはならない。

この炎上から学べること

問題児コンカフェちぺてん事件は、複数の視点から整理できる出来事だ。一つには、SNSの拡散力が個人・店舗・業界全体を一瞬で書き換えてしまう現実。もう一つは、社会的に脆弱な立場の人が「コンセプト」という名のもとに無防備な場所に置かれることのリスク。そして、飲食業における衛生管理と法的責任の重さ。

ちぺてん自身が「悪いとは知らなかった」と言い放った言葉は、擁護でも批判でもなく、単純に「社会的なルールを学ぶ機会が与えられなかった」現実を映している部分もある。オーナーはちぺてんについて「最初は彼女の発想から始まった店で、爆散するまで一緒にやるつもりだった」と明かしており、発案者としての経緯も複雑だ。

問題児コンカフェちぺてんをめぐる騒動は終わったが、この事件が提起した問いはまだ答えが出ていない。コンカフェ業界の急拡大が続く限り、同様の「爆散」はどこかで繰り返される可能性がある。エンタメとして消費される前に、まず当事者の安全と尊厳を守る仕組みが問われ続けるだろう。